円周率といえば誰もが子供の頃に習う身近な数式です。
なかには気の遠くなるような桁数の数字を暗記している方もおり、奥の深い数式であると言えます。
しかしネット上の声を見てみると「円周率の暗記は無駄」という厳しい声もあるようです。
本当に円周率の暗記は無駄なのでしょうか?
そこで今回は、円周率に関するさまざまな情報や円周率のギネス記録を持つ日本人について述べていきたいと思います。
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円周率の暗記は本当に無駄なの?
「円周率の暗記は無駄」という声も一部にはあるようですが、ネットを探してみると多くの方が円周率の効率的な覚え方を紹介していたり、円周率を暗記するゲームやアプリなどもあります。
それだけ円周率には魅力があるということかもしれませんね。
またある種の人たちにとって、古来から円周率には不思議な魅力があったようで、多くの数学者がその計算に一生を捧げてきました。
今ではスーパーコンピューターが1兆ケタをはるかに超える円周率を計算してしまいますから、その魅力は失せてしまいましたが、実は円周率にはもう一つの魅力があります。
それが円周率の暗記の世界です。
円周率をするためには、想像以上の努力と忍耐が必要です。
また暗記しようとすることにより記憶力も発達します。
また円周率は無限とも言える長さがあるので、前に覚えたものをずっと保持しなければならない長期記憶能力も試されます。
そんな円周率の暗記のギネス保持者に、二人の日本人がいることは意外と知られていないのではないでしょうか。
以下ではそんな二人の日本人について述べていきたいと思います。
円周率の暗記のギネス記録を持つ日本人とは?
今から40年ほど前の1978年、カナダの17歳の少年が円周率を8750ケタ覚えることに成功しました。
この記録を知り「これなら自分にもできる」と挑戦を決意したのが、当時46歳の日本のサラリーマン友寄英哲氏でした。
そしてなんと8か月後には、本当に円周率1万5151ケタの暗唱に成功してしまったのです。
それ以前の実績が30歳の時の1000ケタであることを考えると、まさに飛躍的な記録の伸びであると言えます。
しかし残念ながら、その直後に34歳のイギリスのクレイトン・カーべロ氏が、1万5186ケタという僅差で記録を塗り替えてしまいます。
友寄も負けてはおらず、その3か月後の1979年に2万ケタを達成します。
ですが翌年には再びカーベロが、2万0013ケタでこの記録を破ってしまいました。
さらに1年後の1981年、インドの23歳のR・S・マハディアン氏が、あっさり3万1811ケタと大台に乗せてしまいます。
しかし友寄氏は諦めませんでした。
1987年、54歳になった友寄氏は円周率4万ケタの暗唱を成功させました。
この時にかかった時間は何と17時間21分と、頭だけでなく体力も消耗する非常に長い戦いでした。
ちなみにこの記録はギネスブックの1988年版に記載され、8年間も王座を守り抜きました。
友寄英哲のこの4万ケタの記録を破ったのは、同じ日本人の21歳の後藤裕之氏でした。
彼は9時間かけ、4万2195ケタの暗唱に成功しました。
その時、すでに定年退職していた友寄は、62歳にして円周率5万ケタ暗唱のトレーニングを開始したのです。
しかし後藤氏の記録を破ったのは彼ではなく、なんとまた別の日本人男性でした。
奇跡の10万ケタ暗記!
2004年、58歳の原口證氏が友寄の目標を上回る5万4000ケタという世界記録を樹立して、ギネスに登録されました。
その際にかかった時間は8時間40分、計算上は1分間に104ケタのペースで復唱したことになり、まさに恐るべきスピードです。
原口氏の記録はしばらく破られないだろうと思っていた矢先、何と原口氏本人がその翌年に、8万3431ケタという驚異的な数字で記録を更新してしまいました。
ついこの間まで5万ケタを目指して特訓を重ねていた友寄をはじめ、世界の円周率暗唱の達人は、この数字を見て戦意喪失したかもしれませんね。
しかしさらに2006年、原口氏はまさに奇跡としか言いようのない10万ケタ暗唱を達成したのです。
それにしても、世界記録を作った時の年齢が、友寄氏54歳、原口58歳というのは、世間一般の常識をはるかに超えています。
一般的な50代と言えば、年齢とともに記憶力が衰えてくる時期でもあります。
不屈のチャレンジ精神があれば、年齢は関係ないということかもしれませんね。
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さいごに
円周率は数学者など専門分野の人々だけではなく、多くの人を魅了してきました。
また円周率の暗記は記憶力の保持にもつながり、けして無駄であるとは言いきれません。
一つのことを徹底的に覚えるという事は、ほかの暗記や能力の発達にもつながると思います。
少しでも興味があるという方は、一度円周率の暗記にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?